こんにちは。多世代交流プラザ(まちかど健康空間)です。
今回の記事は秋から冬にかけて注意したい「かくれ脱水」についてです。
人間が生きていくうえで必要な水分量は季節を問わず、年間を通じて変わりありません。
脱水症は夏場に汗を大量にかくことで起こると思われがちですが、1年を通して起こる可能性があります。
深刻な脱水症にいたる一歩手前の状態は「かくれ脱水」といわれ、秋から冬にかけて起こりやすい症状です。
気温が低いから安全だと思っている人も多いと思いますが、脱水はいつでも起こるという認識を持つことが大切です。
脱水症状にならないように気温が下がってからも水分補給をこまめに行いましょう。
私たちの体内は、ほとんどが水分でできています。
水には、栄養素を吸収しやすいように分解し代謝するための「物質の溶解」、栄養素を全身に届けたり老廃物を排泄したりする「物質の運搬」、体温を一定に保つ「体温調節」の三つのはたらきがあります。
成人男性の場合、体重の約60%が水分です。
成人女性の場合、男性に比べ脂肪の量が多いため、体重の約55%が水分と言われています。
カラダに含まれる水分量は年齢によって変わります。
年齢を重ねるにつれて、細胞内の水分が減っていき、高齢者の場合は体重の約50%程度が水分と言われています。
水分量を保つためには、1日に入る水分量と出る水分量のバランスを保つことが大切です。
普通に生活しているだけでも、1日に呼吸や汗、尿や便などで体外に出ていく水分量はおよそ2.5?と言われています。
ただし、食事や体内でつくられる水分は1.3ℓ程度であるため、飲料水として1.2ℓ程度が必要となります(必要な量には個人差があります)。
秋から冬にかけては、湿度が低くなり、空気の乾燥によって、汗のように目に見える形ではなく、意識しないうちに皮膚や粘膜、呼吸を通して水分が蒸発する「不感蒸泄」が増えます。
暖房で乾燥しがちな室内では、さらにこの「不感蒸泄」が増え、体内の水分量が減ってしまいます。
そのうえ、寒くなると、のどの渇きを感じにくくなるため、水分を積極的にとるという意識も薄れてしまい、水分補給の回数が減りやすくなります。
その結果、体の外へと出ていく水分は多く、体の中に補給される水分は少なくなるため、体に含まれる水分が不足しやすくなります。
このように、知らず知らずのうちに水分が失われて、自覚のないまま脱水症状に陥ることを「かくれ脱水」といいます。
体内の水分量が不足することで血液は濃くなり、ドロドロで流れにくい状態となります。
頭痛や吐き気を引き起こしてしまったり、濃くなった血液が塊となって血管に詰まってしまうことがあります。
また、酸素や栄養素が運ばれず、脳梗塞や心筋梗塞の発症に繋がりかねませんので、水分補給で脱水を予防することはとても重要です。
のどが渇く(水分が不足する)前に、定期的に水分補給していきましょう。
水分が吸収されるまでに30分程度は時間がかかります。
つまり、不足している状態から慌てて水分補給をしても30分以上経たないと体に行き届きません。
汗をかいていないからといって油断せず、こまめに水分補給をするようにしましょう。
⇒【かくれ脱水に要注意】~秋から冬にかけてもこまめな水分補給を②~
⇒【かくれ脱水に要注意】~秋から冬にかけてもこまめな水分補給を③~
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